Advanced Trap Receiver の大きな特徴は、SNMPトラップをイベントとして生成する条件に正規表現を用いたパターンマッチングを利用することです。これにより文字列の単純一致条件やワイルドカードなどを利用するLIKE条件などと比較して、効率的にシンプルで柔軟な条件を定義することができます。
このパターンマッチングを利用するイベント生成条件は、トラップの3つの基本構成情報に設定することがきます。
- エージェントのホスト名、またはIPアドレス
- トラップOID(トラップのMIBオブジェクト名)
- 変数バインドデータ(VARBINDS)
- エージェントのホスト名、またはIPアドレス
(ホストグループ) | ^ha-node-(1|2|3)$ |
(プレフィックス) | ^192\.168\.104 |
(すべてのホスト) | .* |
エージェント設定はホスト単位に登録する必要はありません。ホスト名やIPアドレスのグループで設定することができます。単一ホストやプレフィックス(ネットワークアドレス)を指定したグループ、すべてのホストまで管理内容に合わせたさまざまな条件を設定することができます。
- トラップOID(トラップのMIBオブジェクト名)
(特定のトラップ) | ^UPS-MIB::upsTrapAlarmEntryAdded$ |
(キーワード) | @caution|notice|notification@i |
(すべてのトラップ) | .* |
特定のトラップOIDや状態を示すのキーワードの条件、すべてのトラップを登録することができます。成立した条件を無効(キャンセル)に設定することもできます。無効に設定した条件にマッチしたトラップのイベントは生成されません(破棄されます)。
- 変数バインドデータ(VARBINDS)
(パターン条件) | VARBINDS.VAL[1] != (regexp) ^UPS-MIB::upsAlarmTestInProgress$ |
(数値条件) | VARBINDS.VAL[3] > 80 |
(文字列条件) | VARBINDS.VAL[5] == (str) alert |
バインドデータに対して条件を設定することで、詳細なイベント生成条件を管理することができます。ANDとORの論理演算子を使った複雑な条件を登録することもできます。バインドデータはパターンマッチングの条件以外に数式条件、文字列条件の設定に対応します。
イベント生成条件に指定する正規表現パターンはパターンチェックダイアログであらかじめ確認することができます。
例えば、RAIDユニットのメンテナンス時にトラップを30秒間隔に送信し続けるエージェントの場合、メンテナンスが3時間かかった場合は、360件のトラップが送信されます。このような重複するトラップの対策として、イベント非生成期間やカウント機能を利用することができます。
イベント非生成期間を3600秒(1時間)に設定した場合は、始めの送信されたトラップ以降の3600秒(1時間)はイベントとして生成されません(無視します)。またカウント機能を利用する場合は、始めに送信されたトラップ以降はトラップの受信回数を記録し、イベントとして生成されません。このような機能を活用することで、運用管理の確認作業の手間を省くことができます。
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